プレイセラピーの話

●米国プレイセラピー協会(APT)登録プレイセラピスト(RPT)について

日本プレイセラピー協会(JAPT)が提供するプログラムは、米国プレイセラピー協会(APT)の定めた登録プレイセラピストの資格取得のための正式な訓練として認められており、ご希望の参加者の方には研修証明書を発行しています。これまでお伝えしてきたように、その研修証明書は、APT登録プレイセラピストの資格を取得する際に、必要研修時間を修めた証明書として使うことができます。それでは、そこでいうAPT登録プレイセラピストとは何でしょうか?ここでは資格の概要を説明します。
米国プレイセラピー協会(APT)登録プレイセラピスト(Registered Play Therapist : RPT)
これはメンタルヘルスの領域において修士かそれ以上の教育を修了し、合計150時間以上のプレイセラピーに特化した訓練や、それぞれ規定の年数や時間以上の臨床訓練プレイセラピー実践スーパービジョンを受けた者に対してAPTから授与されるプレイセラピストとしての認定資格です。資格取得後も、3年間で36時間以上の継続的なプレイセラピーの訓練を修了することで初めて資格更新が認められます。
プレイセラピーに特化した訓練としては、APT認定のワークショップや学会への参加(JAPTもここに含まれます)、APTホームページで提供されているオンラインのテストを受けることでの単位取得などがあります。
プレイセラピストとして、子どもや家族、青年、大人の問題をよりよく適切に援助するべく力量を磨き、そのことを証明することを目的として定められた資格です。規定条件を満たしていれば、アメリカ以外の国の人でも取得可能で、最近では、中国や韓国などアジアの国々でも取得する人が増えてきたようです。
自分のプレイセラピストとしての訓練の基準として、APT登録プレイセラピストを目指し、訓練を続けることは励みにもなり、方向を定めやすくもなることでしょう。
*重要なお知らせ
2017年に米国プレイセラピー協会で、登録プレイセラピストの資格申請の基準の見直しが行われ、現在の日本の臨床心理士、公認心理師は、資格要件として認められない ことになりました。詳しくはお知らせ(PDF)をご覧ください。
資格詳細については、米国プレイセラピー協会(APT)ホームページをご覧の上、直接米国プレイセラピー協会にお問い合わせくださいますようお願いいたします。

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●日本プレイセラピー協会推奨のプレイルームおもちゃリスト

プレイセラピーは日常と違う特別なものですが、おもちゃ自体が特別というわけではありません。とは言え、けっしていい加減におもちゃを数多く集めてはいけません。大事なことは、おもちゃを収集することではなく、きちんと目的に合ったものを「取捨選択」することです。おもちゃについての考え方はプレイセラピストによって少しずつ異なります。様々なおもちゃの中から、自分の考え方・目的に合ったものを選びましょう。
(大野木嗣子博士監修)

 

●プレイセラピーに適しているおもちゃの基本的な考え方
・頑丈でこわれにくいもの
・年齢・発達に合った、複雑な操作の必要ではないシンプルなもの
・創造的な表現を促進するもの
・感情表現を促進するもの
・子供が日々体験していることを投影しやすいもの
・子供が興味を示すもの
・表現したり、探索したりすることを促進するもの
・言葉を使わなくても表現できるもの
・決まりきった使い方をしなくても良いもの

 
●プレイセラピーに適しているおもちゃリスト
(プレイセラピストが居心地良く使えないものは置かないようにします。
たとえば、セラピストによっては、絵の具で部屋や衣服が汚れることが困る場合、絵の具は置きません)

・動物(山、海、砂漠、川、大昔、ジャングル、などに居る様々な種類)の人形
・哺乳瓶
・積み木
・叩いたりけったりしても立ち上がるプラスティクの大きい人形(パンチキック)
・車(普通の車、飛行機、ヘリコプター、電車、トラック、など色々な種類)
・子供用机と椅子(最低二脚)
・着せ替え衣装や小道具(医者、サラリーマン、主婦、先生、消防士、など色々)
・食べ物のおもちゃ(果物や野菜、料理などなるべく色々な種類のもの)
・拳銃
・人形の家と家具
・アクセサリー(プラスティックの壊れても良い派手なもの)
・実物大の赤ちゃん人形
・レゴブロック
・お医者さんセット
・お金セット(お札、小銭、クレジットカード、銀行カード)
・絵の具
・紙(白い紙、色画用紙、折り紙)
・書くもの一式(マーカー、クレヨン、色鉛筆)
・人間(両親、男女の子供、祖父母、他の大人や子供、ペットなど色々体が柔軟なもの)
・電話(固定でも携帯でも両方でも良い:なるべく音のしないもの)
・食器(最低普通のもののセットを4式)
・粘土(小麦粘土など)
・手にはめる人形や指人形
・砂の入った箱(箱庭)
・はさみ(子供用の安全なもの)
・セロテープ
・やわらかい玉とバット
・ぬいぐるみ
・大工道具(かなづち、スクリュードライバー、鋸、など色々)
・ホワイトボード
・性的虐待を受けている子供には性器がはっきり分かる人形を男女とも

 

●プレイセラピーに不適切なおもちゃ
・治療者が居心地悪く、使いたくないもの
・年齢不相応なもの(年齢より上でも下でもよくない)
・組み立てるのが難しい、あるいは時間がかかる複雑なもの
・想像性を使わなくても遊べるもの
・高価なもの
・壊れては困るもの
・触っただけで壊れてしまうもの
・今流行りのもの
・危ないもの(例えば、ガラスで出来ているものなど)
・すぐ無くなってしまうほど小さいもの
・部屋には大きすぎるもの
・治療者にとって思いがつまっていて大切なもの
・シール(治療終了の「ご褒美」として毎回一つ選ぶのに置いてあるのは効果的)
・本物の道具(例えば本物の携帯電話など)
・キャラクターもの(ただし子供があるキャラクターに強い気持ちがある場合は適切)
・コンピューターゲーム
・コンピューター
・勉強道具
・本(待合室にはとても良いーもちろんちゃんと選ばれた物のみ;待合室にはおもちゃを置かない)
・ビデオ(ただし人間関係スキルを学ぶ必要性がある子供にスキルを教える教育ビデオなどは適切)
・テレビ
・ボードゲーム(これは問題とゲームによっては適切な場合・物もある)
・外で遊ぶ用のおもちゃ(外や広い部屋でアクティビティーを目的としているときは適切)
・運動道具(外で思いっきり体を動かすことが目的の場合は適切)
・本物の食べもの

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